2012年2月19日日曜日

ハンズのITの自社開発は、多くの他社の自社開発とも、やり方が違う。

最近、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の次世代IT人材ガイドラインの委員などをやらせてもらっていて、IT人材とかシステム産業について考えることが多い。

そんな中、キーワードは、「バーサタイリスト(いろんなことができる人)」、ここでは、ITも業務もわかる人ということなんだけど、どうやれば、バーサタイリストを育成できるのか。

それは、単純で、「業務部門の人材をIT部門に異動させ、システム構築の学ばせ、基幹システムを構築する」というものだ。

これは、「は? 何を言っているんだ? 妄想?」と100人中100人が答えると思う。

私も、3年前までは、絶対に不可能である。そんなにシステムというものは、簡単ではない。特に、基幹システムなんて。と思っていただろう。

しかし、現実に、ハンズでは、業務部門からの異動の人間が、自動発注やEDI、顧客ポイント管理など、中枢のシステムを構築(プログラミング)している。それも、2,3年前に異動してきた従業員で、彼らは、特にシステムの経験があったわけではない。

他社さんで、自社開発をしているユーザ企業を知っているが、結構
・ずっと、IT部門で育った人間で構成されている
・基本的には、常駐の外部業者の人たちがプログラミングはやっている。
というパターンが多い。この場合の自社開発は、他企業に請負契約をしているのではなく、自社でグリップして開発をしている、ということだ。
ただ、”圧倒的な”速さで開発をすることはできない。それば、システム開発をする人間が業務に精通しているわけではないので、「要件定義」などの作業など、仕様を詰める作業が必要であるからだ。

これが、業務に精通している(というか、実際に業務をしていた)人がシステム開発をすると圧倒的な速さで開発ができる。必要最低限なコミュニケーションをするだけで、十分なのである。

企業のシステム開発において、これより良い手法は、ないのではないだろうか。